インプラントについて

近年、インプラントという言葉をよく耳にすると思いますが、その歴史は古く欧米では1950年頃(約60年前)から歯への応用が研究されています。
[ 真新しいものではないのです。 ]

近代インプラントは顎の骨にチタンを用いた人工の歯根を再建し、失った歯を取り戻す方法で、医学の世界では整形外科のチタンを用いた人工関節や骨折の治療などで多くの実績があります。

[ チタンは身近につかわれています。 ]

現在では、多くの研究データのもと確実なエビデンス(根拠)が得られ、10年前までは不確かな要素が多かったインプラント治療が確かなものとなり、歯科治療において 入れ歯 や ブリッジ治療 や 矯正治療 などと変わらないスタンダードな治療手段になっています。

[ インプラント治療の善し悪しがはっきりしてきたといえます。 ]

そのため当院では <診査・診断・計画><確かな処置><処置後のメンテナンス>の3本柱 を重視しております。

インプラントを知るうえで大事なのは あたりまえかもしれませんが「ご自身の天然の歯が一番優れていている」 という事です。
インプラントはなくなった歯を補うにはとても優れていますが、もともとのご自身の歯以上の働きはできません(同等以下はできますが過度の期待は禁物です)。

ご自身の歯を失う原因がある以上、同じ事が起きれば当然、インプラントにも様々な問題が起きます。長くインプラントを健康に保つには、お口全体の健康が不可欠という事です。

  • インプラントイメージ
  • インプラント構造イメージ

[ つまりはお口全体の<診査・診断・計画><確かな処置><メンテナンス>が重要なのです。 ]

インプラントには手術が必要で、骨が十分にない場合はインプラントを埋める手術の前に、骨を作る手術が必要になることもあり、治療期間は一般的に入れ歯やブリッジ治療より長くなります。
それぞれの患者様のケースによって治療期間は変わりますが、一般的な治療の流れについては以下の様になります。

インプラント治療の基本的な流れ

診査・診断・計画
健康状態の確認・口腔内診査・口腔内写真・口腔内模型採取・レントゲン写真・CT撮影などの資料をもとに、患者様の一番満足いただける計画をシュミレーションソフト等で立案しご説明します。

  • 高性能CT
  • 口腔内写真・レントゲン写真・CT撮影など
初期治療・術前治療
初期治療:歯周病治療・虫歯治療・根管治療・抜歯(抜歯した場合、約2ヶ月ほど治癒を待ちます)などインプラント治療前に最低限必要な処置を行います。
良いインプラントには良好なお口の環境が大事です。
術前治療:骨造成手術・矯正治療などが必要な場合があります。
歯の欠損
インプラント埋入手術
ほとんどの場合、普通の歯科治療と同じ局所麻酔で行います。
*骨が不足している場合、骨造成手術を併用する場合があります。
*またインプラント手術を安全に行う為に、必要に応じサージカルガイドを使用しております。(別途料金がかかります。)
インプラント埋入手術
治癒期間
通常、約2か月間インプラントと骨がくっつくのを待ちます。
(骨の状態によっては3~6ヶ月待つケースもあります)
治癒期間
上部構造の作成
インプラントにアバットメントと呼ばれる上部構造の土台をネジで固定し、型取りを行います。
上部構造の作成(2~3ヶ月後)
上部構造の装着
上部構造には、いろいろな物がありますので、御相談に応じます。
※インプラントの手術から歯ができるまで最短で6~8週間かかります。
上部構造の装着(1~2週間後)
メンテナンス

インプラントを長持ちさせる上で一番大事です。日頃のご自身による清掃はもちろんですが、クリニックにて定期的に検査・清掃を行います。(インプラントはあくまで人工物ですので、良好に感じていても無症状で病状が進行する場合があります。)

メンテナンス期に最適お口のエステコース

  • ※当院では患者様に応じて、3ヶ月、6ヶ月、1年のメンテナンスリコールシステムを設定しております。
  • ※定期的にメンテナンスに応じていただけない場合、インプラント保証の対象外となる場合がございます。

メンテナンス

インプラントのメリット

噛める

天然歯と同程度まで噛む力が回復します。固いものでも問題なく噛む事ができます。
また、噛んだときにも違和感がありません。

きれい

見た目が自分の健康な歯と全く同じで、区別がつきませんので笑顔に自信がつきます。

機能性

機能性にも優れておブリッジのように周りの歯を削る必要がありませんので、健康な歯を健康なまま残すことができます。り、他の歯に余分な負担をかけません。
そのため、周りの歯の寿命を延ばすことにもつながります。
また、顎の骨が、痩せ細るのを防ぐことができます。

食事が楽しめる

インプラントは他の治療法とは異なり、顎にしっかりと固定するため、入れ歯のように食事の際に動いたりするなどの不快感もなく、しっかりと噛めます。また、味覚の低下もありませんので、食事を楽しむことができるようになります。

長く使える

メンテナンスをきちんと行なえば、長期間にわたって、機能と見栄えを維持することができます。

インプラント治療箇所

インプラントと他の治療との比較

インプラントのデメリット

高価

インプラントは保険適用外であるので全額自己負担となりますが、保険内治療のように治療の制限もありませんので、その患者さまに合った最適のインプラント治療法で治療を行うことが可能です。
しかし、コストパフォーマンスで考えると、決して高額であるとは言い切れません。費用以上の価値を感じていただけます。
また、医療費控除の対象にもなりますので患者様の費用負担を減らす事もできます。

手術が必要

手術というには大袈裟かもしれませんが、歯を抜く程度の手術が必要です。よって、術後疼痛や腫れが生じる場合があります。

治療困難症例

重度の骨欠損、免疫不全症、重度の全身疾患(重度の糖尿病・心臓疾患・脳疾患・悪性腫瘍などの全身疾患の方、コントロールされていない循環器疾患・精神疾患の方、医師とのコミュニケーションが取れない方、非協力的な方、口腔内の衛生状態の改善がみられない方)などを患っている方は、場合により手術ができない場合があります。
しかし、上記の方でも手術が可能な場合がありますので、一度当院にご相談ください。

*喫煙もインプラントの成否に大きくかかわります。喫煙者の方は是非 禁煙をすすめます

時間がかかる

入れ歯やブリッジなどの治療法より、治療期間がかかります。しかし、治療回数は他の治療法とほとんどかわりません。

メンテナンスが必要

インプラントを長持ちさせるには、定期的なメンテナンスが重要です。メンテナンスをしっかりと行うことで、長期間使用することが可能です。しかしながら物は考えようで、メンテナンスによってインプラントの寿命だけでなく他の天然歯の寿命を延ばすことにもつながりますのでデメリットともいえません。

トラブル

  • 上部構造(被せもの)に、マイナーなトラブル(破折・ネジのゆるみ等)が生ずる事があります。
  • 時間経過や清掃不良によって歯周病(インプラント周囲炎)・食物のつまり・見た目の変化(歯ぐきの退縮)がおきる。

※このようなトラブルはインプラントのみならず、当然御自身の天然歯にも起きる問題です。

インプラント周囲炎とは?

また、インプラントは人工物であるため天然歯より感染防御が劣ります。周囲炎になると天然歯と比べ進行が速い特徴があります。こうならない為にも日頃のメンテナンスと定期検診をしっかり行いましょう。

以上、インプラントの良いところも悪いところも理解してインプラントライフをエンジョイしましょう。

皿状に吸収した骨

インプラントと他の治療との比較

サージカルガイドとは?

インプラントの埋入手術をより精密かつ安全に行う為の補助器具で、手術時に使うドリルの位置・方向・深さを正確な方向に導き、またドリルがぶれないように保 持します。
「サージカルガイド」の使用によって、インプラント治療の最大のリスクであるドリリングの不具合が最小限に抑えられるのでより安心して治療をお受けいただくことができます。
また、サージカルガイドは事前に患者さんの石膏模型とCTデータを高精度シュミレーションソフトで立体画像化し決定した理想的なインプラント位置を元に作製するため非常に正確です。

サージカルガイド
サージカルガイド

*サージカルガイド手術には別途費用がかかります。ご興味にある方は是非、医師の方までご相談ください。

CTデータとコンピューターシュミレーション
CTデータとコンピューターシュミレーション

医療費控除について

歯科治療も医療費控除の対象となります。一年間に10万円を超える医療費を支払った場合、確定申告によって税金が戻ってきます。
※所得によって異なりますが年収500万円の方が100万円の治療を受けた場合、約27万円の医療費控除がうけられます。

  • 医療費控除額(課税対象から控除される金額です)
  • 所得税の還付金額(納付済みの税金の一部が戻ってきます)

医療費控除を受けるには?

医療費控除を受けるには、一年間に支払った医療費を翌年3月15日までに税務署に申告する必要があります。手続きに必要なもののリストは下記となります。

  • 確定申告書
  • 源泉徴収票(給与所得のある方)
  • 医療総額を証明する書類(領収書など)
  • 交通費の記録(メモ帳などに手書きでまとめたもので可)

※医療費控除に関する詳細はお近くの税務署で御相談いただくか、こちら(国税庁ホームページ)をご覧ください。

お気軽にお問い合わせください。

お電話でのお問い合わせ:076-240-6551